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断面二次モーメント = I

「材料の曲げにくさ(曲げる力に対する抵抗性)」を表す。

『たわみの算定』で用いる。

長方形 ⇒ I=bh^3/12

円形  ⇒ I=πd^4/64

円筒形 ⇒ I=π(d^4―d1^4)/64


断面係数 = Z

「曲げモーメントにどれだけ抵抗できるか?」を示す値。

断面係数は『応力度算定』で用いる。

長方形 ⇒ Z=bh^2/6

円形  ⇒  Z=πd^3/32

円筒形 ⇒  


断面一次モーメント =

断面の形状を数値化した値。

断面積を力に置き換えて、原点から断面の中心までの距離を掛けた値。

断面一次モーメント=A(断面積)×y(断面の中心~原点までの距離)


断面二次極モーメント = Ip

ねじれ剛性に関わるパラメータ。

長方形 ⇒ Ip=bh^3/12(x軸回り)

      Ip=hb^3/12(y軸回り)

円形  ⇒ Ip=πd^4/32



SS材(Steel Structure:一般構造用圧延鋼材)…SS400/ SS490/ SS540

SSというのはSteel Structureの頭文字からきたもので、構造用の鋼であることを意味する。SSのあとにつく400というのはこの材料で保証されなくてはならない最低の引張り強さをMPa(N/mm2)で表記したもの。規格としては、引張強さが400~510N/mm2のものを言い、材料記号の数字部分はSS材の場合、下限の引張強さを示しいる。

鉄鋼材料にとって、炭素は強度や硬度を決める最も重要な成分の一つ。SS400の炭素含有量については、JIS規格には規定がないが、おおむね0.15から0.2%前後のものが多く、低炭素鋼(軟鋼)といえる。低炭素のため、硬度が高くないかわりに加工性が優れている材料でもある。SS400は成分を保証したものではなく、強度(最低の引張強さ)を保証したものであるため、炭素が一定の量だけ含有していると言えない材料でもある。


SM材(Steel Marine:溶接構造用圧延鋼材) …SM490A,B,C/ SM490YA,YB /SM520

もともとは船舶に用いる鋼材の溶接性を高める目的で開発された。MはMarineの頭文字からきている。以前は船はリベット構造だったが、現在は溶接構造に変わり、そのために用いる溶接用鋼材ということで開発された。溶接船用に限らず、SS材とともに多くの工業用途で用いられている。

中・低温用の鋼板で、化学成分はSS材とよく似ているが、低温じん性を改善し、保証したタイプもある。なお、低温側は-10℃、高温側の使用限界温度は350℃。形状は鋼板、鋼帯、形鋼、平鋼となる。

B種とC種では衝撃試験を行っているタイプで、低温じん性を保証しており、脆性破壊を起こさない鋼材。降伏比(降伏点/引張強さ×100%)が高いことで知られるSMY種もある。これはNbを添加したSM材。A種は耐候性に優れたタイプで、強度に優れている。最新のJIS規格では11種類についての規定がある。



SN材(Steel New:建築構造用圧延鋼材) …SN400A,B,C/ SN490A,B,C

SN材は、JISでは5種類が規定されており、建築物、建造物の構造材料としての使用が想定されている為、耐震性や溶接性についての指標が組み込まれており、破壊されるまでの変形能力、炭素当量、溶接割れ感受性、耐衝撃性を見るためのパラメータが細かく設定されている。以前はSS材に建材としての耐震性を見るためのパラメータが組み込まれていたが、建造物用としてのSN材が登場すると、そうしたパラメータはSS材から除外された。

建築用途では、SS材、SN材、SM材などが使われ、これらが併用されることもあるが、SN材はこの中でも耐震・溶接についての規定と、寸法精度が高くなっているため、建材として優れた性質をもつ規格材となっている。ちなみに、SN材の鋼板やH形鋼におけるマイナス側の許容差は、すべての寸法でSS材等よりも厳しい0.3mmと設定されている。

溶接性については、これに大きく影響する炭素当量のほか、溶接割れ感受性、成分としては不純物元素であるリン、硫黄の量を低く規定してあり、鉄骨造建築物などで使われている一般的な溶接で、溶接欠陥の発生を防止できるような規格構成になってる。

SN400にはA種、B種、C種の三種類、SN490にはB種、C種の二種類が規定されており、材料記号の末尾にUTがついているのは(SN400B-UTなど)、超音波探傷試験を行った鋼板、平鋼を意味している。B種、C種は、ガイドライン鋼材と呼ばれる耐震建築溶接構造用鋼材の元ともなっているもので、これがSN材の主要材となる。

SN材の場合、末尾についているA、B、Cの記号は使用される部位(用途)を示している。Aは溶接の無い補助用のもの、補助部材として使われることが想定された鋼種で、Bは主要構造部材や溶接のある構造部材として、Cは溶接だけでなく、厚さ方向特性も要求される部材に使われることが想定されている。

成分については、炭素量のほか、鋼材の強度面に影響するPやSの値が低くコントロールされている。また、厚さによって炭素量の規定が異なるという特徴がある。

SS400とSN400の違い

SN材は建築用の構造材だが、SS400に代表される一般用構造材のSS材も建材用途としてよく使われる。

SS400とSN400の違いとしては、SS400は一般構造材としての利用が想定されており、溶接性を見るための炭素当量や、炭素含有量についての規定がない。SS400の成分規定は、リンと硫黄のみとなる。このため、主要構造部材として使うには不安が残る。

SN400は補助材として使われることが想定されている弱めのSN400Aであっても、鋼材の性能を大きく左右する炭素量の上限が設定されており、また板厚の公差(許容差)についても規格上に規定されているため、建築などの安全性や精度の求められる用途に向いている。

元来、建築の基準では降伏比が一定以上にならないよう、つまり低降伏比についての基準が設けられているが、これは降伏比が一定以上にならないようにすると、地震などが起きた際に、鋼材が折れる前に変形する為、ある程度のエネルギー吸収が可能となり、想定外の破損や崩壊の危険性が減少するからにほかならない。

SN材の末尾にCとついているC種には耐ラメラテア性能と呼ばれる、いわゆる厚さ方向の特性がある。B種と比べて単に成分上の違いだけでなく、厳格な製造管理が求められる鋼材。このタイプのSN材は、厚さ方向における割れの起きる可能性はB種よりも低くなりる。

ラメラテアとは鋼材同士を溶接した箇所、T継手や十字継手などの箇所で、板厚方向に引張応力がかかった際に、板の表面に平行な「亀裂」が入ってしまう現象。板厚方向に引っ張る力がかかる用途では、この現象の発生により構造物の崩壊にもつながる。大型の部材でこうした力がかかるものについては、耐ラメラテア性能を持つ鋼材を用いる必要がある。



被服アーク溶接(手棒溶接)

母材と同じ材質の心線に被覆材(フラックス)を塗り固めた溶接棒を電極とし、この溶接棒と母材の間にアークを発生させることで溶接する方法。

TIG溶接や半自動溶接で用いられるシールドガスは風で吹き飛ばされてしまいますが、被覆アーク溶接ではその心配がないので屋外での作業も可能。

溶接機本体は安価なものが多く、ホームセンターなどでも手に入れることが可能。また、構造がシンプルなため、保守・点検が容易。

溶接棒の心線に対して大きな電流を流すと被覆剤が焼損してしまう恐れがある。そのため、使用できる電流は小さくなる。その結果、溶け込みは浅く、速度は遅くなる。


半自動溶接

CO2溶接

炭酸ガスを使う半自動溶接を「CO2溶接」と呼びます。この加工方法は、主に鉄の溶接で利用されます。

MAG(マグ)溶接

アルゴン80%と炭酸ガス20%の混合ガスを使う溶接方法を「MAG溶接」と呼び、主に鉄やステンレスの溶接で行われます。

MIG(ミグ)溶接

アルゴンを使って行う溶接は「MIG溶接」と呼びます。アルミやステンレスの溶接に適している反面、見た目の仕上がりをきれいにするには相当な技術を必要とします。



TIG(ティグ)溶接

アーク溶接では、アーク放電を安定的に維持する、酸化を防止するなどの目的から溶接部をガスでシールドする場合があり、シールドガスを用いる方式をガスシールドアーク溶接と言う。

TIG(ティグ)溶接は、ガスシールドアーク溶接に分類されるが、特にシールドガスに不活性ガスを用いることからイナートガスアーク溶接と呼ばれることもある。

TIG(ティグ)溶接で使用されるシールドガスは、酸素を含まないアルゴン・ヘリウム・アルゴンとヘリウムの混合ガス・アルゴンと水素の混合ガスの4種類に限られている。その理由は、電極に用いるタングステンが高温下で酸化しやすく、千数百℃程度まで融点が低下してしまうことがあるからです。

なお、ヘリウムや水素を含んだ混合ガスは、アーク放電の発熱量の上昇による、溶け込み深さの増大や溶接速度の向上を目的として用いられる。しかし、水素含有の混合ガスでは、水素を吸収して強度が低下する水素脆化が生じることがあるため、使用可能なのはオーステナイト系ステンレス鋼とニッケル合金に限られる。


交流TIG(ティグ)溶接

アルミニウムやマグネシウムをTIG(ティグ)溶接する場合は、アーク放電のクリーニング作用を活かすことができる交流が主に使用される。

TIG(ティグ)溶接では通常、電極が陰極、母材が陽極の正極性で、直流を流して溶接を行う。これは、電子を放出する電極に比べ、電子が衝突する母材側がより加熱されることを理由とする。

一方、電極が陽極、母材が陰極の逆極性では、電子が衝突する電極が消耗すると同時に、電子を放出する母材表面の酸化物が還元され、酸化物が取り除かれるクリーニング作用が生じる。逆極性での溶接は、電極の消耗により長時間の溶接ができないという欠点があるものの、酸化膜の融点が2000℃超と高く、正極性での溶接が困難なアルミニウムやマグネシウムなどでは極めて有効。

そこで、アルミニウムやマグネシウムには、クリーニング作用を活かすと共に電極の消耗も抑制した交流TIG(ティグ)溶接が用いられる。